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最高裁判所第二小法廷 昭和34年(あ)658号 決定 1961年12月20日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

被告人の上告趣意は、事実誤認の主張であり、弁護人田中英輝の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であっていずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、代理人が権限外の行為をなすにつき、人をしてその権限があると誤信させて財物を騙取したときは、たとえ本人が代理人のなした行為について民法上の責に任ずべき場合であっても、詐欺罪の成立を妨げるものではない。)また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助)

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